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最高裁判所第二小法廷 昭和39年(オ)1140号 判決 1966年4月22日

主文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理由

上告代理人岡部勇二の上告理由第一、二点について。

所論は、その第二点で憲法二九条違反をいうが、実質においてはすべて単なる法令違反の主張にすぎないものである。ところで、控訴審における反訴の提起は、本訴の目的たる請求または防御方法との牽連が要求されるに止まる新訴請求について、本訴に対する控訴審としての判断の中でこれが判断を受け、これによつてその判断に控訴審の審判としての効力を得んとするものである。従つて、その反訴状には、民事訴訟用印紙法四条にあたる場合のほかは、控訴状に関する同法五条の規定により、第一審で提起する場合の印紙額の一・五倍の印紙を貼用すべきものと解するのが相当である。そして、司法手数料の性質上、右基準による印紙の納付義務は、反訴提起行為自体について当然確定的に生ずるものと解すべきであるから、その反訴提起当時にはこれに対する相手方の同意の有無がきまつていないからといつて、反訴状に貼用すべき右印紙額を減額してよいというものではない。以上によれば、東京高等裁判所受付係書記官が本件反訴状について第一審で提起する場合の印紙額の半額を更に加貼させたことが違法であるとの主張を前提とする本訴請求を排斥した原判決は、上記と同趣旨の原判示理由によつて既に正当なものというべきである。従つて、原判決に所論第一点二ないし三及び第二点一にいう違法は認められず、その余の所論は、判決の結論に影響のない事項に関する原判示について違法をいうにすぎないこととなるから、結局、論旨はすべて採用できない。

よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 奥野健一 裁判官 山田作之助 裁判官 草鹿浅之介 裁判官 城戸芳彦)

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